モニターの選び方 初心者向けに優しく解説

パソコンからの情報を画面に映し出す「PCモニター・液晶ディスプレイ」。AV機器の液晶テレビと同様、4Kモデルがじわじわ登場するなど、高解像度化が進んでいます。そんなPCモニター・液晶ディスプレイの選び方を解説します。モニターを選ぶときにチェックしたいのは画面の大きさや形だけではありません。モニターにはさまざまな仕様や機能を備えています。モニターの仕様や機能を知っていれば、自分に合った最適なモニターを選ぶことができます。

PCモニター選びのポイント

1.画面の仕様で選ぶ!

モニターにはさまざまな仕様や機能を備えています。モニターの仕様や機能を知っていれば、自分に合った最適なモニターを選ぶことができます。

光沢(グレア)

グレア(光沢)

黒が引き締まって見えるので、静止画や映像がきれいに感じられる一方で、表面がツヤツヤなため外部からの映り込みがあります。

ノングレア(非光沢)

発色が地味に感じる場合もありますが、映り込みが少なく、表面がキズつきにくいという特長があります。

アスペクト比

画面の縦と横の長さの比率で、「横:縦」で表記されています。かつては4:3が主流でしたが、最近では16:9の製品が増え、最もラインアップが豊富です。

解像度

画面に表示される点の数を表し、フルHDの1,920×1,080が主流です。数字が大きいほど細部まで表現できるため、画像や映像を滑らかでキレイに表示できます。加えて近年では4K解像度のモニターが数多く登場しています。4Kは、1,920×1,080ドットのフルハイビジョンに対して、3,840×2,160ドットと4倍の画素数を誇ります。横の画素数が約4,000なので4K(1K=1,000)といわれています。なお、5,120×2,880の場合は5Kといいます。

応答速度

画面の色を黒から白(白から黒)へ変える時間のこと。ms(1msは0.001秒)という単位で表し、数字が小さいほど残像が少なくなります。現在、8ms未満の製品が主流となっています。

2.入力端子で選ぶ!

HDMI

High-Definition Multimedia Interfaceの略で、高精細度マルチメディアインターフェイスといわれています。AV機器ではおなじみのケーブルで、1本で音声と映像をデジタル信号で伝送します。

USB

Universal Serial Busの略で、パソコンと周辺機器を接続するために使われるポピュラーな端子です。USB(A・B)、ミニUSB(A・B)、マイクロUSB(A・B)といった規格があります。

DisplayPort

DVIの後継として登場した、デジタル式の映像端子。DVIやHDMIよりもサイズが小さく、映像と音声の両方をデジタルで伝送できるのが特長です。複数のモニターを数珠つなぎにすればマルチモニター環境にできます。

DVI

Digital Visual Interfaceの略で、DVI-D(デジタル)・DVI-I(デジタルとアナログ兼用)・DVI-A(アナログ)があります。DVI-DやDVI-I端子では、デジタル信号でデータをやり取りします。

D-Sub

PCと周辺機器をアナログ信号でつなぐ接続端子で、VGA端子やアナログRGB端子ともいわれます。ピンの数が異なる規格があり、モニター用では、D-Sub15(15ピン)というものがよく使われています。

Thunderbolt

インテルがアップルと共同開発した高速のデータ伝送技術です。USBなどの従来のコネクタよりも高速でデータ伝送ができるだけでなく、10W(USB3.0の2倍)の電源が供給できることも特長です。

3.機能で選ぶ!

スピーカー搭載

モニターにスピーカーが内蔵されています。スピーカーケーブルや電源コードなどが必要ないので、パソコン周りがスッキリしますが、音質はほどほどです。音質重視の方は、別途専用スピーカーの購入を検討しましょう。

音声出力端子

ヘッドホンやアンプ内蔵のアクティブスピーカーとモニターを直接つないで音声を再生できる端子です。パソコン本体を机の下などに配置している場合に配線をスッキリさせることができます。

USB HUB

本体に複数のUSB端子が搭載されているタイプのモニターです。

HDCP

HDCPとは、DVIやHDMIなどのデジタルインターフェイスの暗号化に用いられる著作権保護技術の1つです。パソコンからモニターへ送られるデジタル信号も、不正コピーが行われないよう暗号化されています。

MHL対応

MHLとは、スマートフォンなどのモバイル機器を、モニターなどに接続するための高速映像伝送用インターフェイス。モバイル機器のmicro USB端子とモニターのHDMI端子を専用ケーブルで接続する仕組みです。モバイル機器は映像をモニターに出力しながら、充電することもできます。

カラーマネージメント機能

正確な色再現を実現するための専用の調整ソフトウェアが搭載されています。デザイナーや映像製作者、プロカメラマンなど常に厳密な色管理が必要となるユーザー向けのモニターです。

G-SYNC

NVIDIA社が開発したディスプレイ同期技術です。GPUが描く画像とモニター表示のタイミングを同期させ、PCゲームのプレイ中などに発生する画面のズレ(テアリング)やカクつきをなくします。

FreeSync

AMD社が開発したディスプレイ同期技術で、G-SYNC同様にGPUの描画とモニター表示のタイミングを同期させ、テアリングなどをなくします。G-SYNCと異なり専用モジュールをモニターに組み込む必要がありません。